病棟で働く看護師は、患者が入院してから退院まで看護計画に沿って、退院調整を行う。入院してきたときには、病状が重く命さえ危ぶまれた患者も、医師や看護師、そのほかの医療従事者の協力により、だんだんと改善していき、退院をすることができたというのは、患者にとってもうれしい出来事だ。看護師にとってもまた、とても励みになる出来事のひとつである。
看護師の仕事は、たくさんの患者に寄り添い命と向き合う仕事である。すべての患者が元気になるというわけではなく、少しずつ病状が重くなることもあれば、急変をするケースを体験した看護師も少なくない。そんな状況にいつも緊張感を張り詰めた状態で向き合っているので、精神的に落ち込んでしまうことももちろんある。また、大変な状況であればあるほど、燃え尽きてしまうことだってあるのだ。しかし、患者が退院したときはこれほど喜ばしいことはない。それが看護師をまた頑張って続けていこうというモチベーションを持つことにつながるし、この仕事をやっていてよかったというやりがいにつながるのである。
病院というところは、毎日いろいろな患者が入院してきて、毎日いろいろな患者が退院していく。そのため、患者の入れ替わりは少なくない。そのような人の流動がある中で日々の仕事をこなし、やりがいを感じることが難しいときもあるだろう。しかし、日々一生懸命仕事をしていれば、必ず患者に救われることもある。また、仕事ぶりを評価されることもあるだろう。それが一番のやりがいになるのではないだろうか。